辞書の箱
2008年12月16日 火曜日
佐々木が高校一年生のとき、現代文の市川先生が次のように教えてくれた。
「辞書の箱は捨てろ。箱に入ってると、そのぶん引くのがめんどうになって、辞書を引かなくなる」
これは、実にありがたい教えだった。
「辞書は箱から出しておくと引きやすい」という、単なるノウハウを教えられただけではない。
少しでもわからない言葉に出会ったとき、躊躇なく辞書を引くことがいかに重要か。
辞書を引くことをめんどうがって、わからない言葉をそのままにしておくことが、どれほど膨大な損失であるか。
そのことを、この教えは佐々木の頭に叩き込んでくれた。
特に疲れているときなどは、わからない言葉に出会っても、辞書を引くのが億劫になることがある。
そんなときも、箱から出されカバーを取り払われた辞書が目に入ると、市川先生のこの教えが頭に浮かび、佐々木の手を辞書へと伸ばさせるのだ。
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