« 未来の希望の真髄は人が学ぶこと | トップページ | 初稽古 »
Wordのポテンシャルの高さを知っておこう
2009年01月04日 日曜日
ワープロソフトとしてMicrosoft Wordを使っている人は多い。
だがこのソフトでどれほど多くのことができるかを知っている人は、意外に少ない。
仕事でよくWordを使う人は、ぜひ一度梶本洋子さんの『Wordでマスターする使えるビジネス文書 レイアウトの極意』に目を通しておくことをお勧めする。
この本を読むと、DTP(印刷物レイアウト)ソフトとしてもドロー(絵描き)ソフトとしても、Wordがいかに高いポテンシャルを秘めているかがわかる。
Wordでベジェ曲線を扱えるということは、佐々木はこの本で始めて知った。
たとえば佐々木は、下のような図もWordで作ってしまっている。

率直に言ってこの本、ハウツー本としては、決してわかりやすいわけではない。
格闘技にたとえるなら、入門者向けに基本技とその上達方法を解説した本ではない。
プロ同士が実際にリングで闘っている場面をビデオで撮影して、後から本人が解説しているような本、とでも言えばいいだろうか。
だから初心者が真似しようとしたところで、簡単に真似できるはずもないのだ。
しかし、仕事でWordを使っていて「これってなんとかならないのか!?」という壁にぶつかったとき、それが突破できる壁なのかできない壁なのかの、手掛かりを与えてはくれるだろう。
それだけではない。
この本にみなぎる梶本さんの職人魂が、素晴らしいのだ。
筆者のプロフェッショナリズムに触れられるだけでも、この本を買う価値はあると思う。
その一端に触れてもらうため、「はじめに」だけは、ここに全文を引用しておきたい。
《「Wordではたいしたことはできない」と世間一般では思われているようである。ここで言う世間一般とは、この本の執筆に関わった数人を除く、Wordユーザー全員のことである。Microsoftの社員とて例外ではない。その証拠にMicrosoftのWebサイトに存在するpdf形式のドキュメントは、9割がたMacintosh上のQuarkXpressやPageMakerなどで作られており、Wordで製作されているのは、ほとんど文字だけのニュースリリースくらいである(2003年1月1日現在)。嘘だと思うならMicrosoftのサイトから、カタログや解説資料のpdfをダウンロードしてAcrobatで開き[ファイル]-[文書のプロパティ]-[概要]をみればよい。Microsoftですらこうなのであるから、世のカタログやポスター、小冊子、ミニコミ誌、その他もろもろの印刷物は、ことごとくWord以外のツールが使われている。Wordの普及度から考えれば、誠に不思議としか言いようがない。デザインや印刷に関わる人々は言う、「Wordで商用に耐えるデザインなぞ不可能だ」と。本当だろうか?
私は、パソコンなるものがこの世に登場した当時から、様々なプラットフォーム上で、様々なツールを使ってきた。無論、Macintosh上のツールも一通り極めた。そして「普通の商業印刷ならWordで十分である」という結論を得た。どれくらい「十分」であるかは、この本の作例を一通り眺めてもらえば、理解できるだろう。これがWordの実力なのだ。十分商用に耐える。それも特別な技術なしに。
Microsoft Wordとは、その開発元であるMicrosoftが考えている以上のキャパシティーを秘めたソフトなのである。
筆者は、このことを世に知らしめたかった。そして、それを実感して欲しかった。その思いの結実が、本書である。本書には、筆者が持つノウハウのすべてを注ぎ込んだ。具体的な操作方法まで細かく記載している。無論、Wordにも限界があり、印刷用のデータを作るために開発されたツールにどうしても一歩譲る。ほんの一歩。
パソコンを買えば、大抵おまけのように付いてくるソフトで、ここまでのことができるのだ。もっとWordを使おうよ!
ともすれば小難しくなりがちな文章ゆえ、会話言葉と大阪弁を頻出させてしまった。気分を害された方に、ごめんあそばせ。
最後に、幾多の出版社に断れ続けた私達の企画を、そのままの形で実現させてくださったアスキーの佐藤英一氏に最大級の感謝を。筆者を代表して 梶本 洋子
付記
本書の作例は、二科展で大臣賞まで取った藤井浩二のデザインである。Wordの実力を十二分に発揮するには、どうしてもプロのデザインとアドバイスが必要だった。ここにたどり着くまでに、幾人ものデザイナーに声をかけた。そして、ことごとく断られた。曰く「プロのツールではない」、「Macでないとデザインはできない」、「そんなものに名前が出ると信用にかかわる」等々、拒否反応は激烈を極め「悪いことは言わないから、やめなさい、村八分にあうよ」と心底心配してくれる人まで出る始末であった。そんなこんなで、意気消沈していた私達に、藤井は言ったものである。「MacやWindows言うたかて突き詰めたらどっちも0と1の世界や、何とかなるやろ。だいたい道具に縛られながらデザイン考えてどないしまんねん。紙と鉛筆やったら紙と鉛筆なりの、MacやったらMacなりの、WordやったらWordなりのデザインをしたらよろしおまんねん。『弘法、筆を選ばず』て言いまっしゃろが。」かくして、本書は、Wordのテクニックを解説する本であると同時に、藤井浩二作品集でもある。藤井はひたすらデザインを考え、我々がWordで実現を試みた。結果的には、ほぼ100%Wordで再現でき、改めてWordのポテンシャルの高さが証明されたわけである。》
« 未来の希望の真髄は人が学ぶこと | トップページ | 初稽古 »
2011 SASAKI Ichiro. No Right Reserved.

