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機能と幸福
2009年02月28日 土曜日
あたりまえ、と言っていいと思うのだが、佐々木は化粧はしない。
だから化粧品にはまったく興味がない。
化粧に関する話をいくら読んでも聞いても、さっぱり頭に入らない。
ただ、唯一例外がある。
“ビューティエキスパート”の大髙博幸さんが、ラジオでメイクのアドバイスをしているのを聴くのは、とても楽しい。
大髙さんが他のメイクアドバイザーと違うのは、単なる知識や技術を語るのではなく、知識や技術によって得られる幸福を語るところだ。
化粧品やメイク法の機能的な善し悪しに関する話には、佐々木は何の共感も持てない。
だが、それらの機能によって得られる幸福感の話になら、十分に共感できる。
大髙さんは、メイクや美容法によって得られる幸福感を、それ自体として語るわけではない。
言葉としてはあくまでも、メイクや美容法の視覚的な効果を、真摯かつ冷静に語るだけだ。
だがその真摯かつ冷静な語り口が、単なる視覚的な効果を超えた深い幸福感を、聴き手に想像させるのだ。
よい小説家や詩人は、感情を感情自体の描写によって表現するのでなく、人や物のあり方の描写を通して、間接的に表現する。
大髙さんが語る美の幸福も、それと同じだ。
大髙さんのメイク話を聴いていると、自分がまったく認識できていなかった世界に、自分の認識が広がる喜びを感じる。
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