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普遍性と個別性
2009年04月14日 火曜日
業務マニュアルは究極のところ、「誰がやってもその通りにできる」ことを目指す。
一人一人の個人、一回一回の仕事が持っている「かけがえのなさ」は、業務マニュアルづくりあたっては、捨象されてしまう。
むしろそのような「かけがえのなさ」の捨象こそが、業務マニュアルづくりの前半部分(=執筆前のプロセス)の本質だ。
こうした捨象を職業としてやっていると、自分が日常付き合う一人一人や、自分が行う一業一業、自分が過ごす一瞬一瞬に対してさえ、いつのまにか、その「かけがえのなさ」を無視する癖が付いてしまう。
ふと気がつくと、目の前の人や物や、今この瞬間の機会や行為を、「この世にたったひとつの」とか、「もう二度とは訪れない」とかいった形容節をもって認識することを、怠っている。
だが実のところ、個別性は普遍性の捨象としてしか認識できない。
一人一人、一個一個、一業一業、一瞬一瞬の「かけがえのなさ」を捨象して、全体を貫く共通性を認識してこそ、共通性にはくくられない部分として、個別の「かけがえのなさ」が明らかになる。
だから本当は、個別の「かけがえのなさ」を意識して捨象している人間だけが、個別の「かけがえのなさ」を認識できるのだ。
分析の方向を、必要に応じて正反対に切り換えること。
必要なのはこれだけだ。
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