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ウッヒョ~~!
2009年06月22日 月曜日
太宰治に「トカトントン」という短編小説がある(新潮文庫『ヴィヨンの妻』所収)。
この小説の主人公の男は、何かに心が燃えかかるたびに「トカトントン」という幻聴が聞こえ、心が冷めきってしまう。
佐々木にも、「トカトントン」にあたる幻聴のようなものがある。
それが「ウッヒョ~~!」という狂声だ。
元は、佐々木が高校時代に同学年で親しくしていた、Tという毒舌な男の口癖だった。
Tはこの「ウッヒョ~~!」を、自分や他人が「集団的に頭カラッポ状態になって馬鹿げたことに興じる」ことの、シニカルな描写として使っていた。
「どうせおまえも『ウッヒョ~~!』とか言って、踊りまくってたんだろ?」みたいな。
それが妙に頭に残って、ふとした折に、この「ウッヒョ~~!」が頭の中で聞こえてくるようになってしまった。
佐々木に「ウッヒョ~~!」が聞こえてくるのは、人と話していて、ちょっと複雑なことや真面目なことが思い浮かんだときだ。
そういうことを口にしようと思ったとたん、この「ウッヒョ~~!」が聞こえてきて、佐々木は口をつぐんでしまう。
「ウッヒョ~~!」が象徴しているのは、きっと次のような反応だ。
「おもしろいこと考えるんだネ(笑)」
「あなたってほんと変わってるわね~(笑)」
「なんだかムツカシイ本を読んでるのね(笑)」
「そういう理屈っぽいことを言うのは、ゆるみ方が足りないからだよ」
要は「無理解によって価値あるものを穢す」行為と言えるかもしれない。
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