哲学
2009年07月04日 土曜日
ヘーゲルの『小論理学』(松村一人訳)を読み返していたら、次の文が目にとまった。
《哲学の歴史が示すことは、異った姿をとってあらわれるさまざまの哲学体系は、発展段階を異にする一つの哲学にすぎないということであり、それぞれの体系の基礎にある特殊な原理は、同じ一つの全体の枝にすぎないということである。》
(「エンチクロペディーへの序論」)
この文を読んで、大学生の頃「ヘーゲルにはまっている」と友人に言ったら、「ヘーゲルの哲学って、どんな哲学なの?」と聞かれて、絶句してしまったことを思い出した。
友人はたぶん、哲学を思想と同じものだと思っていたのだろう。
たとえば物理学者の名前を挙げて、「だれそれの物理学って、どんな物理学なの?」と聞かれたら、普通は奇妙に感じるだろう。
物理学は、それぞれの物理学者が頭の中で勝手に作り上げるものではない。
物理学者は、全体で一つの体系を成している物理学の発展と継承を、それぞれの局面、それぞれの分野で担うに過ぎない。
哲学だって、物理学的と同様、一つの体系的な学問だ。
それぞれの哲学者が、頭の中で勝手に作り上げるものではないのである。
ただ哲学の場合、物理学など他の学問分野に比べて、その学問の発展と継承を担えるだけの学者の出現が、あまりにも稀であるという違いはあるが。
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